北京の伝統料理研究⑥
紅焼海参(なまこの煮込み)


料理ストーリー

中国では、燕窩(ツバメの巣)、魚翅(ふかひれ)、海参(ナマコ)、鮑魚(アワビ)が“四大海味”といわれ、中華料理に欠かせない乾燥海産食材となっています。 「海参」という呼び方は、「海の人参」の意味で、朝鮮人参の薬効との類似性を意識して付けた名称で、中国と朝鮮との交流の過程で出現したと考えられています。 中国でのナマコの食文化の中心は、山東省や遼寧省を中心とする遼寧海域で、干しナマコの利用の普及は16世紀末から17世紀初頭の明末清初と推定され、ナマコが高級料理として定着し始めたのは清朝の時代となります。 当時の日本では、江戸幕府が生糸や絹織物を中国から輸入する為に、「俵三品」と呼ばれる干しナマコ、干しアワビ、フカヒレを輸出していましたが、中でも大きな比重を占めていたのが干しナマコでした。 中国でナマコはアワビやフカヒレ、ツバメの巣、熊の手等と共に、宮廷料理の「満漢全席」で愛用されており、仔豚の丸焼きを主菜とする「焼烤席」、 ツバメの巣を主菜とする「燕菜席」、フカヒレを主菜とする「魚翅席」に続き、ナマコを主菜とする「海参席」は4番目の評価を得ていました。 清朝の宮廷では高く評価され、高級食材として愛用されていましたが、庶民の間ではナマコの薬効作用が知られつつも、普段はナマコを食用とする習慣はあまり無かったようです。 ナマコ料理が中国で一般庶民の間に広がったのは、庶民が豊かになり健康的な食文化に関心を持ちはじめた改革開放後の事で、1980年代以降、特に1990年代に入ってからで、 かつて宮廷や貴族しか食べられなかったナマコ料理は庶民の間に浸透し、かつての珍味はいつでも味わえる庶民の食べ物になりました。 近年ナマコ料理を中心とした海鮮料理は益々有名になりましたが、中でも一番人気は「紅焼海参」だと言われています。


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