芝パークホテルは多種多様な書籍コレクションを備えたLibrary Hotelとしての顔を持ち、職人が紡いできた伝統(ものがたり)を季節ごとにテーマを設けて、本とともに日本文化を軸とした職人ものがたり展を開催しています。
今回は、この展示を手掛けたキュレーター である、有限会社ブレインカフェ 木下のぞみに、職人ものがたり展vol.17 “慶”についてお話を伺いました。
師走の声を聞くと、家々では新年を迎えるための準備が始まります。
煤払いは、年神さまをお迎えするための大掃除。しめ飾りは、清浄・神聖の印で、門松は年神さまが降りてくる時の目印。そして鏡餅は、年神さまの居場所とされています。
東京・浅草の浅草寺では、この新年を迎えるための正月飾りや縁起物を売る露店が軒を連ねる「歳の市(としのいち)」が、毎年12月17日から19日の3日間にわたり開かれています。
江戸時代より続く歳の市は、年末の風物詩として親しまれ、毎回多くの人で賑わいます。浅草寺の歳の市には、縁起物である羽子板を売る店が多く、このため歳の市は別名「羽子板市」と呼ばれます。
この羽子板市に並ぶ羽子板の多くは、歌舞伎の演目を題材にしていて、「弁慶」「助六」「藤娘」など歌舞伎役者の絵柄が店先に並ぶ様子は、江戸情緒たっぷりと言えます。
今回「職人ものがたりvol.17」でご紹介する羽子板は、この羽子板市にも出店している「羽子板の鴻月」の「押絵羽子板」です。
かわいらしいサイズの「豆羽子板」も、歌舞伎の様々な演目にちなんだ取り合わせでご用意しています。
「職人ものがたりvol.17」のもう一つの工芸の「からかみ(唐紙)」は、中国の唐から伝わった加飾紙です。
木版手摺りや金銀の砂子を蒔いた唐紙は、平安時代は和歌や手紙を装飾する詠草料紙(えいそうりょうし)として用いられていましたが、中世以降には襖や屏風に貼られるようになっていきます。
生活スタイルが洋風化する中では、襖などの建具の需要も減っていますが、唐紙の作り手は文具やアートパネルなどの新たな分野での商品開発を進めています。
「職人ものがたりvol.17」では、お正月には欠かせないポチ袋をはじめ、日常の中で唐紙の美しさに触れていただける商品を取り揃えております。
ぜひ、お運びいただき、楽しいひと時をお過ごしください。